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Ayaka Morohoshiホテルにこだわるトラベラーのために、世界中から厳選された素敵なホテルだけを取扱う宿泊予約サイト「Tablet Hotels」の日本語サイト担当
GWは5年ほど前から、家族で国内旅行と決めています。今年は妹がバンコク在住のため、母と2人で尾道&倉敷への旅でした。岡山空港からレンタカーで尾道へ、そしてしまなみ街道をドライブするのが1日目の滞在プラン。大三島の伊東豊雄建築ミュージアムで折り返して、尾道に戻り、話題のスポット「Onomichi U2」内の「Hotel Cycle」にチェックイン。
「Hotel Cycle」はその名のとおり、自転車がキーワード。しまなみ街道のサイクリングの拠点・終点として、自転車ごとチェックインできるユニークなホテルです。Onomichi U2には、サイクルショップもあるし、レストランやセンスの良い雑貨屋さん、オーガニック食材を中心としたお土産コーナーもあり、宿泊者には嬉しい限り。
ホテルを含め全体のデザインをディレクションしたのは、若手建築家の谷尻誠さん。お部屋に案内してもらい、即座に機能性とデザインを兼ね備えた、素晴らしいホテル!と感激しました。壁やガラス、バスタブの石材など徹底した素材選び、エアコンにカバーを付けるなどの配慮、家電製品やアメニティの選定など、すべてがセンスよく丁寧にデザインされていると感じました。
無駄のないすっきりとしたデザインに加えて、自転車での旅を終え、ほっとさせてくれるような温かさも。落ち着いた間接照明に、バスタブは2人で入るのに十分な大きさで、長旅の疲れをゆっくり癒してくれそう。朝食は焼きたてのパンに、サラダ・フルーツ・ジュースはセルフサービス、温かい卵料理はオーダーという、シンプルでベストなラインアップ。
私は決してホテル評論家ではないけれど、この仕事をしていて思うのが、オーナーやデザイナーの思いが感じられるホテルが好き。Hotel Cycleでは、谷尻さんが「こうしたら、気持ちよく宿泊できるだろうな」と熟考を重ねた様子が伝わってきて、胸いっぱいになりました。アイデアや思いが詰まった空間に泊まるというのは、かけがえのない宿泊体験なのですね。
2日目に続く。